総量規制 ---国の定めた返済能力ある信用力という尺度 [貸金債権]
国が法律で定めた信用ある返済能力基準とは、どういう基準か
一体、支払い可能で健全な債務額について、年収1/3の総量規制は、どこに計算根拠があるのだろうか。
起草のための貸金業懇談会の資料や立法での検討事項には、合理性基準が示されていない。
誰が提案し、誰が賛成し、反対があったかもわからない。
A=30万, B=70万, C=90万の3社からの190万円の借入れがある年収360万円の債務者としよう。
借入れ総額が120万円に減少するまで、誰も貸すことができない禁止客となるから、リボ、利用枠は停止される。
3年をめどに完済されなければならないとしよう。
月の支払いは、元本190万円x2.8%=53200円を払えば、36ヶ月目には既存のローン残高はゼロになる。
月収30万円に対して18%、手取り26万円では20%が借金返済に充てられることになる。
これが120万円に減ったらどうなるか。3年完済予定払いを変えないとすれば、月2.8%は変わらず、33600円へと返済額が減少するだけとなる。
月収30万円に対して11%、手取り26万円では13%が借金返済に充てられることになる。
すなわち、政府と議会は、収入の13%以上の返済は、信用問題があると決定した。
返済不能となる合理的根拠は、議員、金融庁起草担当者、懇談会の慶応大学の経済学者2名のメンバーに聞いて見たいところだ。
無論これ以外に 、住宅ローンや自動車ローンなどが担保付借金がある場合があるだろう。その場合には、確かに信用に影響が出るだろう。
アメリカでは、住宅ローン返済が困難になって差し押さえが迫る債務者に対して、返済を支払い可能額にまで減額して支払い猶予を与える政府の計画 HAMP(Home Affordable Mortgage Program) が進められており、昨年終りに、65万人が利用したという。
その返済きる額への支払額調整基準は、収入の31%とされている。
基準というのは、負債総額ではなく、収入に対してどれだけの負担があるかを測る尺度を使うのが、合理的基準というものだが、学者と議員と金融庁は、どういう理由を考えたのだろうか。
元本残高 利払い 月支払額
経過月数 1.50% 2.80%
0 1,900,000 53,200
1 1,846,800 28,500 24,700
2 1,793,600 27,702 25,498
3 1,740,400 26,904 26,296
4 1,687,200 26,106 27,094
5 1,634,000 25,308 27,892
6 1,580,800 24,510 28,690
7 1,527,600 23,712 29,488
8 1,474,400 22,914 30,286
9 1,421,200 22,116 31,084
10 1,368,000 21,318 31,882
11 1,314,800 20,520 32,680
12 1,261,600 19,722 33,478
13 1,208,400 18,924 34,276
14 1,155,200 18,126 35,074
15 1,102,000 17,328 35,872
16 1,048,800 16,530 36,670
17 995,600 15,732 37,468
18 942,400 14,934 38,266
19 889,200 14,136 39,064
20 836,000 13,338 39,862
21 782,800 12,540 40,660
22 729,600 11,742 41,458
23 676,400 10,944 42,256
24 623,200 10,146 43,054
25 570,000 9,348 43,852
26 516,800 8,550 44,650
27 463,600 7,752 45,448
28 410,400 6,954 46,246
29 357,200 6,156 47,044
30 304,000 5,358 47,842
31 250,800 4,560 48,640
32 197,600 3,762 49,438
33 144,400 2,964 50,236
34 91,200 2,166 51,034
35 38,000 1,368 51,832
36 0 570 52,630
元本残高 利払い 月支払額
経過月数 1.50% 2.80%
0 1,200,000 33,600
1 1,166,400 18,000 15,600
2 1,132,800 17,496 16,104
3 1,099,200 16,992 16,608
4 1,065,600 16,488 17,112
5 1,032,000 15,984 17,616
6 998,400 15,480 18,120
7 964,800 14,976 18,624
8 931,200 14,472 19,128
9 897,600 13,968 19,632
10 864,000 13,464 20,136
11 830,400 12,960 20,640
12 796,800 12,456 21,144
13 763,200 11,952 21,648
14 729,600 11,448 22,152
15 696,000 10,944 22,656
16 662,400 10,440 23,160
17 628,800 9,936 23,664
18 595,200 9,432 24,168
19 561,600 8,928 24,672
20 528,000 8,424 25,176
21 494,400 7,920 25,680
22 460,800 7,416 26,184
23 427,200 6,912 26,688
24 393,600 6,408 27,192
25 360,000 5,904 27,696
26 326,400 5,400 28,200
27 292,800 4,896 28,704
28 259,200 4,392 29,208
29 225,600 3,888 29,712
30 192,000 3,384 30,216
31 158,400 2,880 30,720
32 124,800 2,376 31,224
33 91,200 1,872 31,728
34 57,600 1,368 32,232
35 24,000 864 32,736
36 0 360 33,240
総量規制で個人消費は冷え込み
景気回復は夢のまた夢
政府は何を考えているのでしょう。
by NO NAME (2010-05-16 10:42)