貸金業法24条2項の通知義務は強行法規でないのか [債権譲渡]

貸金業法24条2項の通知義務は強行法規でないのか

利息制限法の適用を受ける金融機関が貸金業法の適用となる貸金債権を譲り受る場合に、貸金業法24条2項の17条や18条の書面不交付は許されるか。信託目的に限定されてか、通知不交付には、違法性がないとの立場を前提にした法律見解があります。ただ記事は、書面不交付の違法性には焦点をおかれておらず、争点としていない。
http://financelaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/sfcg3-2-ba09.html
貸金業法の適用となる貸金債権の譲渡について、法24条2項が強行法規とはいえず、任意規定との立場から、不交付を正当と認められるか。

民法の債務者への譲渡通知は、債務者に譲渡を対抗したいかどうかで、債務者対抗を(通知がない限り、あるいは通知があるまで)あきらめれば、債務者通知は任意と考えられる。他方、貸金業法24条2項通知については、起草者や議会意思は 定かではないが、その法目的は、みなし弁済の有効性に関連してくるところで、譲渡後の請求にあたり、実際には、債権額の確認・確定作業、請求債権の 条項・条件の内容確認が必要になることに関連する。

貸金業法が実体権を変動させるものでなく、行政取締規定だとしても、もし法24条2項通知を交付すれば、その効果として、何が起こるか。
① 譲受人が金融機関であれば、請求可能な金利は利息制限法に従うことになり、15%超過金利を請求したり及び受領する権利は制限され、請求行為は禁じられる。
② 通知行為は、実体上、債権額確認行為ではなく、その合意形成過程でもない。通知があっても、債権額確認の債務承諾があったとはみなされず、債務者は抗弁権が放棄されたとはみなされず、将来において、金利引きなおし計算による 元本減額請求は放棄されていない。(譲渡前に過払い金請求権が生じている場合には、借り手にとって、貸し手に対する債務は消滅しており、債権不存在ゆえ、譲渡の対象物がなくなるので、理論上「債権」譲渡は無効になる。)

金融機関にとり、利息制限法の適用とは何を意味するか。債権譲渡を受けるにあたり、譲渡元本が、みなし弁済が有効になされたと仮定あるいは想定された元本残高であることは、譲受人によって認識されており、引きなおし計算されてはいない。金融機関は、譲渡により15%の上限金利の制約を受けた上で、みなし弁済無効の抗弁が付着したままの債権を、(抗弁がない限り)債権が存在するものとして請求することは許されることになる。いつ何時、みなし弁済無効の主張がなされるとも知れず、債権額は確定していない。利息制限法適用を受ける銀行は、引きなおししないまま、みなし弁済有効を前提とした債務の存在を前提にして、請求することが許されるか。サービサーであれば、超過金利請求は禁じられるが、引きなおし計算義務までないように解される。
法目的は不明だが、24条2項通知不交付義務が強行法規でないとしたら、その違反は、どういう場合なのかの裁判規範は定かではない。

明らかなことは24条2項通知していれば、15%を超えて請求できない。対内関係において権利を移転した上で、債務者通知しなければ、譲渡人の有する権利として債務者に請求し、譲渡人が取得し、譲渡人に帰属する金銭に対して、譲受人は、内部関係において、受益権に変質させることで、優先的参加持分で金利全額に対して優先請求できる権利を有していると考えられる。15%以上の受領権限を取得するには、 24条2項通知を不交付にしたまま、かつ譲渡者に回収委任を専管的に委ねる必要がある。

実体法上、債務者通知がなければ、債務者に対しては譲渡は対抗できず、債務者との関係で、譲渡は効力を有しない。したがって、譲受人による請求権の効力は認められない。上記記事では、貸金業法上、譲渡契約が有効に成立していても、債務者通知が交付されていなければ、債務者に対しては利息制限法を越える金利の請求をすることは許されることを前提にする。法24条2項は公序にはあたらず、強行法規ではないとの理解に基づく。通知が不交付であれば、譲渡人は利息制限法超過金利を正当に請求する契約上の権利を有するから、譲受人が債務者に譲渡を対抗できずとも、利息制限法超過金利の全部を取得する権利は確保される。貸金業法は、そうした内部関係における権利変動、パーティシペーションについて立場を明白にしておらず、記事の論者のような法律意見を主張がありえる。

24条2項通知不交付が許可されれば、金融機関に対して違法金利を事実上請求し、収受する正当な権利を与えることになる。本来、債権譲渡があれば、それを実現することは公序に反し、無効である。したがって、貸金債権については、権利関係に変動があれば、24条2項通知不交付により、保護されるべき債務者の権利が侵害されるので、譲渡がなかったとみなされる。金融機関に利息制限法を超過する金利を違法なからくりで払わされることを社会的に容認する潜脱的な仕組みが許されるか。日本振興銀行は、そうした偽装を公共政策条認められないという立場をとっており、それを防止するための規定が24条2項通知交付義務だとして強行法規と考える。したがって、日本振興銀行は貸金業法の制約から、貸金債権については、パーティぺーション的権利譲渡であり、債権それ自体の譲渡がなかったものと理解する。すなわち、譲渡はなかったのであり、債権譲渡登記の目的は、表示は何としても、内部当事者間でのみ有効なパーティシペーションの権利確保であり、譲渡はなかったと主張されているのではないか。
ゆえに、信託銀行と争われる振興銀行の権利が優先すると解かれることになる。
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