SFCG譲渡債権--BSに認識される貸金は、元本残高総額か購入価額か [貸金業者]

日本振興銀行のBSを眺めてみよう。
09年3月、930億円のSFCG買取債権があるという。p.11/11
貸付総額は、3134億円、 引当金34億円
二重譲渡に関する中間報告(第8回)(12/1報告)によれば、譲渡を受けた貸出債権数は18,132 件。
単純に一件あたりのローン単価を計算すれば、513万円。
これは倒産前のSFCGの平均的な単価600万円ほどと変わらない。
倒産前の08年末、5500億円の貸付資産を有していた。
証券化負債2400億円に対して、3200億円の貸付債権が信託譲渡されており、またシンジケーションローンのための担保として、1000億円の債権に譲渡担保設定されていたとみられる。
担保設定総額は、4200億円となっていた。1300億円には担保が付着していないことになるが、信託からの買戻しなどで、貸し倒れ処理されていない債権が証券化担保の一割の300億円あるとすれば、稼動資産は1000億円なかっただろうか。

さて、ここまでが事実の説明。疑問は、ここから。

振興銀行は、930億円買ったという。
購入価額は、いくらだっただろうか。
その後の半年で、300億円くらい債権が消滅したともいわれていたが、金利引きなおし計算請求やら過払い金請求を受けて、SFCGに戻し譲渡したと見られるのが3割あるとすれば、その金額は、貸し倒れか引当金を積まなければならないが、9月決算で、つまれていない。
元本価額で購入したとすれば、損失処理されることになるが、資産と収益から、処理できる金額を超える。半額であれば、SFCG破産手続きで取り戻し不能となる損失は発生していない。
2008年の貸金市場では、過払い金債権の発生しない引きなおし前の債権では、元本の半額~3割ほどで売買されることが多かったとみられる。もし半額で買っていたとし、BSの数字が購入価額を表しているとしたら、元本ベースでは1860億円の債権となる。これだけの金額は、多重譲渡でない限り、そもそも存在していなかった計算となる。

こうした不良債権になった債権をどのように評価して、認識したのだろうか。
数字上は、元本のままだが、そんな価額で買ったとも考えようがない。
なぜ購入価額で認識しなかったのか、不明。
しかも、二重譲渡に関する中間報告(第8回)では、9640件(53%)が譲渡登記をした第三者対抗要件を具備した多重譲渡だという。
引当金をどう積むのか。

http://www.shinkobank.co.jp/ir/pdf/report090605.pdf
http://www.shinkobank.co.jp/whatsnew/img/press091201_2.pdf
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