破産の基準点と総量規制--亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見 [貸金債権]

急増が予定される個人破産に関して政府の主張する銀行責任: 
亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(平成21年12月25日(金)11:04~11:33 場所:金融庁大臣室)

政府は、今後の総量規制の影響で60万件の個人破産申立が予期されることについて、銀行に責任を取らせるという。
具体的にはどういう意味なのか?

アイフルに銀行責任をかぶせられないように、プロミス、アコムに、法的な手段で銀行責任を問うことは困難だろう。どういう責任法理が許されるというのか。住専の親会社責任と同じ法理というが、貸金業者の単なる株主である場合と、完全に指揮権を行使していた住専とは違うだろう。最近では、それら貸金業者に役員を派遣していることは確かだが。

唯一ありえる責任追及の具体的意味が、破産申立防止であるとしたら...
破産申立て予備軍である年収1/3を超える多重債務者に、親銀行が年収1/3になるまで返済資金を貸し付けるという方法とありえる。銀行貸付は総量貸付対象外である。
すなわち、起こりえる現象として、債務整理することなく、銀行貸付により、消費者金融債権が返済される。
その場合には、その分、金利引きなおしによる元本の減額が増え、その後に債務整理するときには、残高の目減りが大きくなる。

たとえば、年収350万円で、借入総額250万円の場合、借り入れ総額が117万円になるまで返済する義務が生じるが、133万円を銀行が融資し、返済されることになる。
返済の方法によって、全部にそれぞれ元本返済を進めるのではなく、一社だけに残高を残せば、(後に債務整理となれば、)その返済で相当な額の過払い金も発生しうることになる。

親銀行の三菱銀行と住友銀行は、プロミスとアコムの客しか対応する義務がない。
しかし客は、複数の消費者金融から借り受ける。
2社の貸金の客が銀行から返済資金を借入れるとき、客が生存の期待されて、借入が続けられるプロミスとアコムに返済するのではなく、借入れ額の維持が期待できないで返済だけになるだろう武富士とアイフルに対して、返済を多くすることもかんがえられる。
それとも武富士とアイフルが危機になり、過払い金の回収が難しいと考えれば、アコム、プロミスに返済を増やすか。

債務者の行動が大きな影響を及ぼすことになるだろう。

しかし、年収の1/3規制を引いて、借入れ不能を理由に破産原因が発生するとしたら、その数値が破産原因のメルクマールになる。これまでは、借金が許されたことから、この程度のステージの借金額で、同時廃止破産が認められることはなかっただろう。
借入れできず支払い不能になるのだから、テスト基準点がかわる。事実上、破産事実の認定方法に影響を与える結果になる。

アメリカの2005年個人消費者破産法は、再生計画について、収入に対する支払額を計算根拠にするが、借金の金額とは、誰が無責任に考えた理屈だろうか。しかしそれが破産事件を左右する基準になっていく。

http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2009b/20091225-2.html
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